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新機能について

処置処方歴のグラフ表示、ノートPCやスマートフォンとの自動同期による往診支援、ナース用機能の強化、病院のグループ化にも対応など、より強力な新機能が追加されました。

カルテテンプレートの強化

ビューの階層化

テンプレートに配置できるビューオブジェクト(KOV)が強化されました。KOVの上にKOVを重ねて一体として扱うことができるようになりました。これにより、たとえば、所見や検査オーダーを循環器用、呼吸器用などの小さな領域に収めた部分テンプレートを作っておき、必要なときにワンタッチでカルテ上に貼り付けるような使い方ができます。カルテ上にたくさんの項目を配置しておく必要が無く、簡潔に小さな画面領域で必要事項だけを入力できるので、参照時にスクロールの必要が減り、瞬間的に多くの情報を把握することができます。


ドキュメントとビューの独立

同じ内容の情報をいろいろな表現形式で参照できます。たとえば、ドクターがX線のオーダーを出す場合を考えてみます。ドクターにとっては、部位や方法を逐一タイプするよりも、すべての部位や方法を画面上に表示しておいてチェックマークをつけるほうが楽です。紙でオーダーするときにはそのような形式を使っていると思います。ところが、X線を実施する技師にとっては、すべての選択項目を見る必要がありません。ドクターが選択した事項だけを画面に表示すれば十分です。


従来一般に使われているオーダーシステムは、医師がオーダーを出す画面や、技師がオーダーを参照する画面をそれぞれ専用プログラムで作成していました。そのため、導入時のコストが高く、かつ、変更が困難でした。DRSは、両方の画面をテンプレートだけで作成できるので、非常に安価に、かつ、導入後の変更も柔軟にできます。しかし、旧バージョンにおいては、ドクターがオーダーを出すテンプレートと技師が受けるテンプレートが同一でした。このため、技師が参照する画面にも選択可能性のある項目がすべて表示され、画面が大きく煩雑でした。今度の新バージョンではそれが解決されました。 このビュー独立のテンプレートは、オーダー以外にもナースとドクターの間の共通情報の参照など、いろいろなところで役に立ちます。


精密処方、精密注射の対応

オーダーを出す画面も、受ける画面も、従来より使いやすくなります。ナース用に複数患者の温度板を一画面に表示することもできるようになりました。精密処方/点滴のオーダー、変更、実施時の流量変更、投薬所見、が可能になりました。


注射/点滴の量は、(全容積または全力価)と(単位時間流量または持続時間)の任意の組み合わせで可能。いずれか2値を入力するとそれ以外の2つの値は画面に表示され確認が容易です。薬剤混合の場合も、いずれかの薬剤の時間当たりの投与量を力価で指定すると全薬剤の流量を自動計算し、また、全薬剤の流量を指定すると各薬剤の単位時間の投与力価を表示します。


アンプル数も自動表示されるので、チェックがさらに厳密にできます。実施時に急遽流量を変更したり、なんらかのコメントを記録することも容易です。オーダーや実施時の変更や記入は、記録者のIDと日時が自動的に履歴として永久保存され、いつでもすべての履歴を参照することができます。


処方、処置、検査結果、何年分でもグラフ表示

投薬や処置の実施日は、青い帯で表されます。処方や検査の過去の実施日を直感的に把握できます。
グラフに表示される横幅、すなわち、期間は、年単位、月単位など切替表示できるので、長期間のトレンド、短期のトレンドをいずれも一目で把握できます。また、特定の月を拡大表示すれば、個々の来院日の詳細を確認できます。来院日のカルテページにジャンプすることもできます。
グラフ表示は高速でできるので、診療中に診療歴を分析するのにも使えます。(9年130来院で2.3秒、8年460来院を8秒で表示)


過去の検査結果値は、折れ線グラフで表示します。任意の項目を選択表示できるので、薬剤と検査結果の因果関係を把握できます。薬剤は薬効別にまとめて表示することもできます。


グラフ上で来院日を選択して、その日のカルテページにジャンプしてカルテを参照できます。そして、グラフ上の任意の処方や検査を今日のカルテに転記(DO入力)することもできます。


病院内オーダー

ドクターからオーダーとその進捗状況を、DRSが稼働している院内すべてのPC上のステイタスモニター画面で、参照できます。


ドクターはDRSカルテに患者を表示し、たとえば、リハビリオーダー画面上でオーダーしたいリハビリ項目をクリックします。すると10秒以内に、ステイタスモニターを起動している院内すべてのPC上で、ステイタスモニター画面上のセルの色が変わり、ドクターからオーダーが出ていることが分かります。

リハビリ室ではステイタスモニターのリハビリ用ワークシートで、オーダーの出ている患者とオーダー内容を参照/確認し実施します。リハビリが完了したら、オーダー画面をクリックして、ステイタスを『完了』に変更します。


10秒以内に院内すべてのステイタスモニター上で、このオーダーが完了したことが表示されます。


院内共通のステイタスモニターには全患者の全種類のオーダー状態が表示され、院内のどのPCでも、全てのオーダーの進捗状況を把握することができます。特定のオーダーだけに絞って表示することもできます。


オーダー用の画面は、カルテと一体化でき、カルテ記述と二重に入力する必要がありません。また、DRSの最大の特徴であるテンプレートにより、自由に柔軟に設計できます。オーダーと同時に「KSアトム」機能により複数の請求項目を入力してしまうこともできます。クリック一度でオーダーと請求入力ができます。ステイタスモニタに表示する項目も自由にカスタマイズできます。

ナース用機能の強化

ナース用温度板がさらに充実しました

従来は一画面に一患者の温度板しか表示できませんでした。今回の新版では一画面に複数患者の温度板を表示できるようになりました。これにより、たとえば、入院患者の投薬作業を行うときには、薬剤オーダーだけ配置した温度板を利用し、自分の担当の患者を全部一画面に表示できます。担当患者全部をまとめて確認入力したり、メモ入力ができ効率が上がります。


温度板中の表示/入力項目は、テンプレートで作成されているため、サポート担当者やユーザーが簡単に追加、変更、削除できます。その上、何種類でも温度板を設定できるので、投薬、看護、それぞれの業務に合わせた画面を複数使い分けたり、患者の疾患や病状により異なる温度板を利用することもできます。複数の温度板に同一項目を配置した場合、片方に入力や変更を行うともう一方にも反映するので、二重入力や認識間違いを防げます。


ドクターとの情報共有

ドクターのカルテ上の一部の項目を、ナースの画面上に表示することができます。ナース画面では参照のみに限定され、ドクターが内容を変更するとナース画面も変更されます。また、逆に、ナースが記録したメモなどをドクターのカルテ画面の一部に表示することもできます。ドクターは最新のナース記録を自分の画面で参照できます。すなわち、相互に情報共有をしやすくなりました。


このような画面レイアウトを行うと、従来の一般的なシステムではかなり多額のプログラムのカストマイズ費用がかかりました。DRSでは、このような高度な設計の画面でも、テンプレートにより作成、変更できるので、サポート担当者が必要に応じてその場で作成や変更ができます。ユーザー自身で作成・変更することもできます。プログラムを一切変更する必要が無いので、費用がかかりません。使いながら、より便利で現実的ななシステムへ進化させることができます。

グループ経営支援―医療も介護もまとめて一元管理



複数拠点のカルテを一元管理

在宅医療/介護、通所介護/リハ、老人ホーム巡回など、複数拠点にまたがり1患者1カルテ。複数事業所の請求業務も一か所で行え、グループ経営の効率をさらにアップします。


訪問診療/介護のカルテは院内DBに自動同期

通所介護事業所などインターネット接続ができる場所では、本部のサーバーに直接遠隔接続してカルテ作業やレセ作業もできます。


遠隔地から院内DBの読み書きも可能

病院や診療所のグループ化が増えています。グループ化のメリットを生かすにはカルテ情報の共有、すなわち、同一患者が複数の病院を受診しているときに、すべての病院での診療情報を把握できることが必須です。従来の一般的なグループ病院システムでは、病院をまたがったデータベース(DB)サーバー、すなわち、それぞれの病院のDBサーバー以外に、複数病院の診療情報、またはインデックス情報を保持する集合的なDBサーバーを別途構築しなければなりませんでした。


他病院とのカルテ共有

グループの他病院に同じ患者のカルテがある場合、問い合わせを送って他病院のカルテを参照できます。 グループをまとめるための特別なサーバーが要らず、単独事業所と同じ設備とコストでグループ内カルテ共有が可能になります。


背景

病院や診療所のグループ化が増えています。グループ化のメリットを生かすにはカルテ情報の共有、すなわち、同一患者が複数の病院を受診しているときに、すべての病院での診療情報を把握できることが必須です。従来の一般的なグループ病院システムでは、病院をまたがったデータベース(DB)サーバー、すなわち、それぞれの病院のDBサーバー以外に、複数病院の診療情報、またはインデックス情報を保持する集合的なDBサーバーを別途構築しなければなりませんでした。


集合データベースの問題

この方式(集合データベース、集合DBと呼びます)は、本質的に難しい問題があります。いくつもの病院で時々刻々入力、変更される情報を集合DBに反映させなければなりません。数多くの病院の情報を正しく集合DBに反映させること自体、技術的に煩雑である上に高価なシステムが必要となります。また、集合DB中には膨大な量の患者個人情報が収納されるので、厳重な機密管理が必要となり、これも大きな追加費用がかかる原因になります。また、病院は院長がすべての責任を持っていますが、集合DBは各院長の管理下には無いので、組織的な責任の持ち方も難しくなります。


同じ情報を遠隔地の別DBにもうひとつ保持すること自体が、本質的な問題の根源です。DRSは、この本質問題を重視し、集合DBを使わずにカルテ共有する仕組みを作りました。


DRSCOSMOSメッシュ上のリクエスター、患者クエリー、リスポンダー、モデル

DRSでは、「DRSCOSMOS」により、グループに所属するすべての病院のすべてのPCがメッシュ状に通信経路を確立します。あるドクターがある患者をDRSカルテ上に呼び出すと、DRSカルテプログラムはその患者のIDや氏名や生年月日などを含んだ存在問い合わせ(患者クエリー)をメッシュ経由ですべての病院に送ります(問い合わせするPCをリクエスターと呼びます)。各病院には、患者クエリーに答えるPC(リスポンダー)が何台か用意されており、リスポンダーが自分の病院のDBを検索してこの患者の情報が自分の病院に存在するかどうか調べます。存在している場合、リスポンダーは、リクエスターに対し、患者のIDとDBのアドレス(URL)をIPV6で返し、リクエスターは他病院のDBをIPV6で直接読んでカルテ情報を得ます。

 

リスポンダーが存在する病院がDRS以外の電子カルテシステムを利用している場合は、リスポンダーがDBのアドレスではなく、仮想DBのIPV6アドレスを返します。仮想DBとは、DRSで定義されたXML形式でカルテ情報を返す院内のサーバーです。DRSカルテは、DBを読むのと全く同様にXML形式のカルテ情報も読めるため、仮想サーバーを設置することにより、他社システム中のカルテも無差別に読むことができます。





シンプルで安価なフェイルオーバーによる可用性確保

リスポンダーは一病院内に複数稼働させても良く、また、すべてのDRSPCがリスポンダーの機能を持っており、故障の時に自動的に他の適したPCがリスポンダーに昇格できる(フェイルオーバー)ので、常時稼働させることが容易で費用もかかりません。


リスポンダーは、時病院内のDBサーバーのIPV6アドレスを、都度DRSCOSMOSのメッシュを使って調べるので、DBサーバーが故障のために予備サーバーに切り替わっている時でも、生きているDBサーバーアドレスをリクエスターに知らせることができます。


患者一元管理の方法

グループ内で一人の患者に対して一つのIDを付与することが保障されている場合は、他病院へのクエリーは患者IDで行うことができます。DRSを全病院で利用した場合は、DRSの分散型ID発番機能を利用できます。これは、互に通信することなく、また、一元的な発番サーバーを利用することなく、各病院が自分で他と衝突しないIDを発行するアルゴリズムです。


しかし、現実には、過去にすでに付与されたIDや複数のメーカーの体系の異なる患者IDがグループ内に混在しています。

 

DRSは、患者クエリー中に、患者識別に利用できるなるべく多くの情報を含め、リスポンダーがそれらの情報をすべて活用して同一患者を見つけ出す、というモデルを採用しています。それでも一意に患者を絞り込むことができない場合があるので、可能性が高い患者をすべてリクエスターに伝え、最終的にはユーザーが判断します。一つの病院に複数の患者が見つかった場合、同一である可能性が高い順に表示し、カルテ内容を確認することによりユーザーが患者に質問するなどして判断し、同一患者を決定します。


病診連携での認証方法

グループ外の病院や診療所とカルテ共有する場合は、参照者が正当な医師であることを確認しなければなりません。DRSでは、A病院で患者Mを診療中のドクターDが、DRSCOSMOS機能で連携している病院、診療所に患者存在クエリを送ります。X病院にMのカルテが存在することを知った場合、AがX病院に対して認証の要求を送ります。X病院ではDが正当な参照者であるかどうかを認証します。判定は、PKIのような社会的インフラを利用しても良いし、通信や電話を使って人が判断することもできます。

 

DRSにおいては、このように、情報を開示する側の責任で相手の認証を行います。この方法は、情報管理の責任の所在を明確にすることができ、認証の社会的インフラが整っていない環境においても、現実的で実用的な認証を行うことができます。両方の病院の同一患者の主治医どうしが、その患者に関して話せば、情報請求者の正当性を容易に判断できるはずです。

モバイルツールとの自動同期による往診支援

ノートPCで往診をより快適に

ノートPCを持って往診に行く場合、患者データをノートPCに事前にコピーしなければなりません。


往診中にノートPCがインターネットに接続されていれば病院内DB中の患者データを直接利用することもできるわけですが、往診中に高品質のインターネット通信を行うことはまず不可能です。患者宅にインターネット回線があったとしても、持ち込んだPCを患者宅のLANに接続してインターネットを利用するには、診察時間よりも時間がかかります。

 

従来のDRSでは、往診する患者をユーザーが選んで、院内DBからノートPCにコピーし、往診から戻ったら、ユーザーがプログラムを動かして往診中のカルテを院内DBに反映する、という作業が必要でした。


新バージョンでは、データコピーの余計な手間が一切無くなります。たとえば、過去1か月に診療した患者のカルテを一年分、とPCに指定しておき、ノートPCがWiFiの範囲にあるか、または、有線LANに接続されていると、自動的にこの条件の患者の最新のカルテをノートPCにコピーします。

 

往診から戻ったら、ノートPCをWiFiか有線LANにつなぐと、自動的に往診中のデータが病院DBに反映されます。ユーザーはノートPCをネットに繋ぐ以外に操作を一切行う必要がありません。

往診中の患者に病院内でカルテ記入を行った場合も、その情報を失わず、往診中、院内両方の記述を保持します。





停電中の診療にも応用できる

停電中には、ノートPCだけを使って診療を行うことができます。DRSはすべてのPCがすべての機能を持っているため、DBサーバーが止まっても、最小限、ノートPC1台だけで、受付、診察、処方箋、窓口請求、レセプト作成請求、が可能です。実際は、1台で受付と診察を行うのは困難ですが、2-3台のノートPCを使えば停電中でも診療はできます。今どきのノートPCは6時間くらいは電池だけで動きますから、3時間くらいの計画停電なら十分実用的です。

 

しかし、そのためには、事前に最新のカルテデータをノートPCにコピーしておく必要があります。また、電気が復旧したときにノートPC上に書き込まれたカルテデータを院内のDBに書き戻さなければなりません。これは、少々面倒です。


新DRSでは、この場面でも往診と同じ方式を応用できます。すなわち、停電時用のノートPCをWiFiかLANに接続しておき、最新のカルテを時々刻々(といっても数分は遅れますが)ノートPCに追加することができます。過去のカルテの変更も、都度、ノートに反映します。そして、停電中はノートPCに書き込み、電気復旧後はなにも操作しなくても今度はノートPCに記録された停電中のカルテが病院DBに反映します。



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